ミュージックビデオの身体論⑥ サイボーグ的身体——「ONE TAKE STAGE」のトランス・ダンス
MVにおいて、あらゆる運動は——撮影や編集を通じた、前後のショットとの関係性の操作によって——ダンスになり得る
生身の身体をカメラで記録した映像が使われていなくても、人間と映像の協働や「サイボーグ的身体」は成立し得る
フォーマリズム的ダンス映像
Michael Jackson - Smooth Criminal(1988)
サカナクション / ネイティブダンサー(2009)
マルコム・マクラーレン『バッファロー・ギャルズ』(1982)
バスビー・バークレー、ロイド・ベーコン『フットライトパレード』(1933)
OK Go - I Won't Let You Down - Official Video(2014)
AKB48『恋するフォーチュンクッキー』(2013)
振り付けを踊る様々な人びとの身体が編集によってつなぎ合わされ、一つの連続した身体へとモンタージュされている
「擬似同期」(濱野智史)
『みずほダンス』(2017、現在はリンク切れ)
https://www.oricon.co.jp/special/50468/
Nine Inch Nails - Only (Dirty)(2005)
石田美紀が指摘するように、フルCGで作られた映像も、現実との対応関係を完全に失っているわけではない
(石田美紀「新しい身体と場所――映画史における『ロード・オブ・ザ・リング』三部作」『入門・現代ハリウッド映画講義』人文書院、2008年)
Radiohead - House of Cards(2008)
無数の粒子の不安定な揺らぎが、人間と映像の協働によるダンスに新たな身振りを付け加えている。
aespa『Savage』ONE TAKE STAGE(2021)
IVE『ELEVEN』ONE TAKE STAGE(2021)
SUBUSUNEWS(「ONE TAKE STAGE」撮影監督へのインタビュー)(2022)
「ONE TAKE STAGE」の映像表現としての革新性は、アーティストのパフォーマンスと同期・連動し、共に舞台上で踊っているかのようなカメラワークによって、「映像のダンス」と「ダンスの映像」をこれまでにないかたちで融合させたことにある。
マヤ・デレン『聖なる騎士たち——ハイチの生きた神々』(1985)
ミュージックビデオの身体論 佐々木友輔
https://note.com/sasakiyusuke/n/n4d456a301353?magazine_key=m8d95f6c32fc7
アイデア:ミュージックビデオの身体論⑥ サイボーグ的身体——「ONE TAKE STAGE」のトランス・ダンス